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むぎょっていこう

むぎょの日常と遊戯王と腐女子ネタの長文。

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【書評】「小説家という職業」森博嗣の執筆はビジネス


むぎょだよ。読書楽しい。

テストが終わって、久しぶりに本を借りたよ。

いきなり分厚いのを読むのも楽しいけど、なにぶん久しぶりだからね。目についた新書を借りたよ。

名前だけは知ってたから、本当に軽い気持ちで手に取ったんだ。

電車の中で読み進めると、さっそく驚かざるを得なかった。

この人……小説家なのに小説書くの別に好きじゃないとか言ってる……

 



冒頭からとんでもなくビックリしてしまった。

小説が好きじゃないなら何で書いてるの? マジで何で書いてるの?

どんな人でも、文章をわざわざ書く人はそれなりに小説が好きだと思ってたよ!

そんな書き始めだから、まあのめりこんでしまうよね。



どうして彼が小説を書き始めるに至ったか


趣味の工作に使うお金目当てだってさ。昼は研究職で忙しく、夜でもできるバイトがしたい。そこで小説執筆を思いついたそうな。

やべえよ……やべえよ……しかも毎日3時間×1週間で12万文字、原稿用紙300枚分書いたって。

好きでもないのにここまでできちゃう森博嗣ってやっぱ持ってる。研究職だからレポートとかはお手の物だったんだろうけど、それでも性質違うよね……天才怖い……


そうして彼はメフィストに原稿を送ったんだが、ここで光るのが彼の戦略。一発屋を回避するために、五作品で徐々に面白くしていこうと考えた。

彼が三作目まで完成させたときに目をつけたのがメフィストの編集長。この人もやっぱり変わってるというか天才で、「だんだん面白くなってるから四作目から出そう」とか言っちゃう。完成してないものを出そうって決断したのもスゴいけど、そう信頼できる本を作った森博嗣もやっぱりスゴかったんだろうな。

そうしてできたデビュー作が、後にドラマ化した「すべてはFになる」だ。

 



小説はビジネス、ネットを使いこなせ


森博嗣は、好きという感情でなはくビジネスで小説を書いている。だから、小説を書くときの技法より「戦略」を重視している。そこで彼が活用したのはインターネット。

彼はガンガンエゴサしているらしい。そこで批判を含む感想を分析して、読者の感想を知っていく。

そして、逆方向に行く。小説家は期待を裏切ってナンボということらしい。

確かに、読者の予想を越えられないというのは作家にとって不利になるだろう。予想を裏切り期待を裏切らないというのはかなり難しそうだ。

さらには、「謎」や「つっこまれる部分」をわざと残しておくというトリッキーな技も紹介されていた。

ファン同士のネット議論を活性化させ、能動的に活動させることで満足度を上げる狙いらしい。

このテクニックは一朝一夕では真似できそうにないが、確かにうなずける部分も多かった。作品には謎だったり考察の余地が多ければ多いほどファンも頭をひねる。

遊戯王シリーズ、特にゼアルでは私もウンウンうなりながら議論に参加したものだ。アニメもマンガも完結した現在でもまだ考察の余地がある。
反対に、「魔人探偵脳噛ネウロ」は確かに名作ではあったけど、完結後はほとんど何も言うことがなかった。それだけ完璧だったんだ、あの作品は。

ツッコミどころが多いコンテンツっていうのは議論という交流を湧き起こす。いわゆる「謎本」がコンビニで売れるのも、ファンの知りたい欲を刺激しているからだね。

森博嗣がこれをわざと誘発しているってやっぱり普通の人間じゃないな~。

今思ったんだけど、「小説が別に好きじゃない」っていうあの書き始め、当然インパクトも計算されてたんだろうな。悔しいけどお見事だわ。



小説家指南というよりは小説家は至難、みたいな本だった。おあとがよろしいようで。


おわり