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むぎょっていこう

むぎょの日常と遊戯王と腐女子ネタの長文。

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「いじめ」という言葉の字面、語感について


私の小学校や中学校でも、小さないじめはそこそこ発生していた。
 
「苗字の文字が『豚』って字に似てるよね!」とか、「お前はエラが広いから『鉄仮面』な!」とか、心にくるあだ名系は何度言われても慣れなかった。今でこそ笑い話にできるが、当時はえらくしんどかったことは覚えている。
しかし相手はスクールカースト上位の運動部男子、分が悪かった。抵抗をする気力すら奪われ、本の世界に逃げ込んでいた。
 
ショックが大きかったのは、中学校での英語の授業中。確か、「英語の先生がキモいと思う人!」という文と、いくつかの正の字が手紙でまわってきた。これはあんまりだ、とその場で立って先生に渡した。もちろん先生は怒って授業が説教の時間になった。
翌日、私の下駄箱から上履きが消えていた。わざわざ二階のベランダに放られていたのだ。
はっきりした行動で示されたのは、最初で最後だった。
 
これだけやられていれば、いじめられている方の気持ちも分かっている。……と、思うだろう? いざ他の子がいじめられていれば自分のポジションはもっぱら見てみぬふりで。もっと何かできなかっただろうかと、高校生の頃からずっと悔やんでいる。
 
さて、「いじめ」という言葉がある。
いじめ(苛め、虐め、イジメ: Bullying)とは、「肉体的、精神的、立場的に自分より弱いものを、暴力差別いやがらせなどによって一方的に苦しめること」である[2]。(Wikipedia「いじめ」より)
いじめ自殺やらネットいじめやら、新しい言葉のピースとなるくらいには社会に浸透している言葉だ。
 
私個人の意見を正直に言おう。
 
字面が生ぬるい。
 

 

 
まずは『いじめ』という言葉の形をじっくり見て欲しい。スッカスカだろ。
ただでさえひらがなは「優しい、やわらかい」イメージを持たれがちだというのに、なんだこの曲線の多さは。すべり台か。
 
三文字全部が書道でのびのびと書きたくなるひらがなというのは、本当にマズい。
何がマズいって、深刻さがまるで感じられない。マイナーなメーカーのお菓子っぽいもん。
 
 
次に、『いじめ』とゆっくり発音してほしい。口の形を記憶するように、もっちゃりと発音してほしい。
そう、発音すると二文字目まで笑顔になってしまう。人間は嘘でも笑顔になると楽しくなってしまうっていう記事をどこかで見たことがある。

楽しいと自然に笑顔になりますが、これとは逆のサイクルで、笑顔をつくることで楽しいと感じることが出来るのです。

大学人間相互作用研究所のポール・エクマン博士によって、“笑顔の状態が脳もつられてポジティブになる”ということが明らかにされました。(http://www.biranger.jp/archives/32879より引用)
いじめのことについて話すたびに笑顔になってどうすんだ、と。「どうにかなっちゃうんじゃない?」というよくないポジティブさが生まれてしまうことも懸念できてしまう。
スターティングの『い』で笑顔ができて、『じ』で濁点の安定感と固さが出る。この固さは本来『いじめ』の語感に喜ばしいものなのだが、『め』という最強に柔らかい文字で言葉が締めくくられてうやむやになってしまい、全体的にはとてもハッピーな言葉に聞こえてしまう。
こうなると、地方の銘菓並に感じの良い言葉になってしまっている。
 
 
 
人間の第一印象というのは見た目からくる。言葉に遭遇するのは二つの方向、視覚と聴覚だ。
子供たち同士で傷つけあうという悲劇を繰り返してはならない。
 
「ただの言葉」に反応するのは、私の妄執かもしれない。しかし、普段使う言葉だからこそ、気を付けて取り扱っていきたい。
 
 
代案は大きくわけて二つある。「苛め」もしくは「虐め」という漢字表記に改めるか、「いじめ」という言葉そのものを別の言葉に言い換えていくか。
 
漢字で表すなら、「虐め」の方がオススメかもしれない。「苛烈」という言葉に馴染みはないが、「虐待」という言葉にはピンとくる人も多いはず。虐待という言葉に背筋がぶるっとくる、そうでなくても、明るいイメージを持つひとは少ないはずだ。
 
「いじめ」という言葉を言い換えることは、そう難しい話でもないと思う。
金品を脅し取れば「恐喝、脅迫」になるし、殴ったり蹴ったりすればそれは「暴行」となる。
これらの嫌がらせ行為をまとめて「いじめ」と呼ぶのだろうが、あえてまとめないほうが良いと思う。
 
 
 
クラスの子供がいじめを受けている。
クラスの子供が恐喝を受けている。
 
深刻さが増すのはどちらだろうか?
 
 
 
冒頭で述べた私の例は、日本中で起こっているケースの中でいえば軽度かもしれない。
しかし、「欝や自殺もなかったからまだマシだろ」と片付けてほしくはない。
いじめ、いや、侮辱罪と器物破損罪の被害に遭っているのは確かだから。しんどさは共通する。
 
心の傷は等しく傷む。

 

 

おわり言葉狩りって言われたらそれまでなんだけどね)

いじめと戦おう!

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