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むぎょっていこう

むぎょの日常と遊戯王と腐女子ネタの長文。

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腐女子のロールシャッハ・テスト


ロールシャッハ・テストRorschach test, Rorschach inkblot test)は、投影法に分類される性格検査の代表的な方法のひとつである。被験者にインクのしみを見せて何を想像するかを述べてもらい、その言語表現を分析することによって被験者の思考過程やその障害を推定するものである。(wikipedia「ロールシャッハ・テスト」から引用)

 

 
今回、被験者に見せるインクのしみですが……
 
 
 
それは、何の変哲もない少年マンガです。
 
主人公のAが相棒のBと旅をして、敵であるCを倒す。典型的なファンタジーバトルマンガといえるでしょう。
 
 
 
それでは、彼女たちがどういった妄想をするか述べてもらいますね。
 

 

 
ケース1
 
腐女子1「熱血主人公A×クールな相棒Bが好きです」
 
それはどういった楽しみ方なんですか?
 
腐女子1「Bがクールで打算的なのに、いい加減なところが多いAを見捨てずに共闘するところがホモだと思っています」
 
なるほど、物語中盤でBがAのことを見直すシーンですね。
 
腐女子1「ええ、最初は成り行きでコンビを組んでいたでしょう? Aの単純だけど裏表のないまっすぐな行動を見て、BがAを信頼に足る仲間と認めたところ……Bは完全にAに惚れましたね。間違いないです。
 
はあ、まあ、ありがとうございました。
 
 
 
 
 
ケース2
 
続きまして、逆カップリングの方です。
 
腐女子2「クールに振舞うが実はさびしがりやのB×普段は熱血だが実はドSな主人公Aに萌えています」
 
えっと……まずは、両人の『実は』のところの説明からお願いしますね。
 
腐女子2「わかりました。まずはBの『さびしがりや』の点ですが、これはBの過去を見れば一目瞭然でしょう」
 
Bの両親絡みのゴタゴタですか?
 
腐女子「はい、ストーリー上では『Bの出自の複雑さ』を描いているにすぎませんが、幼少のBに与える心理的影響を考えると、親の愛、ひいては人間関係に飢えざるをえない状況かなと思いまして。クールなわりには、仲間たちと宿屋の大部屋にいるシーンが多いのも根拠のひとつです」
 
なるほど、確かに。Bはさびしがりやでもおかしくないかもしれませんね。
 
腐女子2「つづいて『AはドS』の点を説明しますね。……Aはよく自分の短慮な行いで騒動を引き起こし、周りを困らせるところがありますよね?」
 
ええ、何度もありましたね。
 
腐女子2「事件の中のいくつかは、確信犯であるかもしれないんですよ」
 
な、なんですって? そういう描写ありましたっけ?
 
腐女子2「ほらこのコマ見てください、困っているBを見て明らかに口角が上がっています」
 
これは、事件の重大性をわかっていないAがヘラヘラしているだけではないのですか?
 
腐女子2「ええ、私も最初はそう思っていました。しかし、次のコマでのAのこのセリフ。時間軸の移動もないのにAは事態をしっかり把握できていますよね」
 
確かに、言われてみればそう捕らえられなくもなくもなくもないですね……?
 
腐女子2「Aが状況をわかってないというのがウソだとすると、AはBの困惑する姿を見たがっていることになります」
 
『困っているBを見て愉しんでいるのでAはドS』ということですか?
 
腐女子2「はい、そういうことです。ドSなAは困っているBが好きで、BもまたAに構ってもらいたがっているに違いありません!
 
……ありがとうございました。
 
 
 
 
 
ケース3
 
続いてはこの方。
 
腐女子3「ラスボスC×主人公Aがこれまでで一番滾った組み合わせです」
 
ロミオとジュリエットのように、敵対する立場にいるカップリングですね。
 
腐女子3「ええ、これもまた王道ですよね」
 
しかし……原作を見る限り、この二人はガチで憎しみあっているようにしか思えないのですが……?
 
腐女子3「憎しみは愛の裏返しとよく言われるように、ここから激しい愛に転じるかもしれません。いえ、むしろもう物語の中で激しい愛が表現されているんですよ」
 
そこを詳しくお願いします。
 
腐女子3「わかりました。CがAを弱らせるために放った手先が、Aを瀕死にまで追い込んだシーンありますよね」
 
ええ、Cが「Aを殺すのは自分だ」と宣言したところですね。
 
腐女子3「Cは憎っくきAが死ぬ寸前で、手先にむざむざ撤退を命じるでしょう? あれはものすごいホモですよ。」
 
『Aが他のやつに殺されるなんて許せない』というモノローグは、一般のファンたちも多少ざわざわしましたよね。『Cがガチwww』など。
 
腐女子3「Aに失望したくない、という気持ちであるのはわかっています。ファンの反応もネタ扱いですよね。しかし、私にはAに対するCの執着に見えてしまって……鮮明に。誤解を恐れず短い言葉を使うなら、『ヤンデレ』というやつです」
 
なるほど。激しすぎる愛がストーカーになるように、執着が愛に変化することもありえなくはないですもんね。
 
腐女子3「はい、そしてAもCを憎みながら、『Cのようにはなりたくない』とまっすぐな態度と気持ちでCを殺しにかかっています……人懐っこくて誰とでも仲の良いAが、唯一嫌っている存在がCなんですよ。いわば、Aの人生の中でCは特別な存在であるわけで」
 
憎しみという負のベクトルであれ、Aが強烈に意識している存在がCしかいないですよね、そういえば。
 
腐女子3「ええ、なのでAもCへの愛にこれから目覚める、もう目覚めていることも考えられます」
 
あ、ありがとうございました。
 
 
 
 
 
ケース4
 
続きまして、こちら。
 
腐女子4「相棒B×ラスボスCという沼に沈んでいます」
 
これは……? 因縁があるのはAとBで、最終決戦もほとんどAとCの一騎打ちだった記憶があるのですが。詳しくお願いします。
 
腐女子4「わかりました。Bは悪名高いCをもちろん知っていますし、Cを倒すというAに共感できたから一緒に戦っています。また、Cも当然Aのお供であるBの情報を得ています」
 
はい、わかります。
 
腐女子4「最終決戦では、BがサポートしながらAがCに突っ込んでいきましたよね」
 
ええ、間違いありません。
 
腐女子4「ここでBとCは対面を済ませています。さらに、会話も済ませています」
 
B『C、お前だけは許さない!』C『ほお、Bか。雑魚は失せろ!』 B『ぐっ、ぐわあああああ』だけですけどね。
 
腐女子4「この圧倒的な会話の少なさに反して、二人とも名前を呼び合っているのがわかりますよね?」
 
ええ、まあ。情報の探りあいもありましたから、互いに名前くらいは当然知っているでしょう。
 
腐女子4「そこから始まる愛もきっとありますよね」
 
希望的観測ですか……
 
腐女子4「Bは一命を取り留めましたし、Cも改心しました。知能派で策略好きという共通点もあることですし、原作終了後はAを介して対面することもあるでしょう。原作そのものの描写は無いに等しいですが、これからの可能性に満ちた組み合わせだと思っています
 
想像の余地が多いということですね、ありがとうございました。
 
 
 
 
 
ケース5
 
最後に、こちらの方のお話を伺います。
 
腐女子5「D×主人公Aに人生を狂わされました」
 
すみません、Dという存在が初耳なのですが。
 
腐女子5「Dは、同じ作者が描いた別作品の登場人物です」
 
作品が違うんですか?
 
腐女子5「ええ。簡単に説明すると、Dは平安時代の貴族です」
 
世界観も真逆になりますね。二人が対面することはまずないですね。
 
腐女子5「わかっています。いわゆる顔カプ、捏造カプと呼ばれる類のものです」
 
どうしてそこに行き着いたのか教えてください。
 
腐女子5「BにもCにも割り当てられたヒロインがいますよね
 
ええ、Cは幼馴染の女性と愛を誓い合っていましたし、Bにいたっては最終回でさらっと結婚していました。
 
腐女子5「二人がヒロインをさしおいてAとくっつくところが想像できなくて。それでも、愛し愛されているAの姿が見たかったんです」
 
Dを選んだのはどうしてですか?
 
腐女子5「Dは作中でバイと明言されていますし、誰ともくっつかないまま物語が終わっています。互いの特徴を鑑みても、相性に悪いところは見当たりません。AとDが愛し合えば、互いに幸せになれると確信しています
 
なるほど、決してやぶれかぶれなわけではなかったのですね。ありがとうございました。
 
 
 
 
 
いかがでしたでしょうか。
 
誰もが同じものを見ているはずなのに、腐女子の間だけでもこれだけの解釈違いが生まれています。「インクのしみ」自体はまったく普通の少年マンガですが、彼女たちはまったく関係のない、新しい着想を受け取っているのです。
 
これまでの文章を読んで、あなたは何を感じましたか?
 
腐女子の比類なき妄想力を恐れながらも感心しましたか?
人は誰とも共感することができない、と小さく絶望しましたか?
 
 
 
この記事を含めた全ての物、事、概念すら、「インクのしみ」足りえるのです。
 
そう、この世はあなたとあなた以外から成り立つ実験場でしかないのです……。
 
 
 
 
 
おわり(作中のマンガは架空のものです)